(ゲームタイトル)稼働させてください!問題

2019年11月12日リバーサル業務日誌

稼働させて欲しいタイトルがあるならば……

 

私の過去の経験からお話します。

ゲームセンターで稼働させて欲しいタイトルがある場合、「置いてくれるなら行きます!」は、

お店の人にとって「今日はいい天気ですね」と同じ意味です。

キツい表現に思われるかもしれませんが、そういうものです……。

というのも、置いたからといって来ないパターンを何十、何百と見てきたために、

人の言葉を信じられなくなっているわけです。

また、信じたとしても、インカムがあまりに少なすぎて損をするという場合もあります。

ゲームセンターは筐体もスペースも無限にあるわけではないので、

お店の存続にいいものを残し、そうでないものを切り捨てざるをえない。

でもそれはお店の人にとって当然のことかといえばそうではなく、

泣く泣く撤去はどこのお店にだって起こることです。

金の匂いだけ嗅いでまわるクズ! だなんて指摘は、

あまりに表面的だと思うんですね。大抵、店員さんだってゲーマーなんですから。

ちくしょう! こんなにおもしろいのに!! っていってる人、何人も見てきましたよ。

 

また、導入コストも考えないといけませんよね。

最新台ともなると、導入に数百万円から数千万円かかります。

毎月ネットの利用料や従量課金があったりすると、本当に利益は出しにくい。

にも関わらず、入れたら行きます! ないからクソ店!! みんな行くなよ!!

みたいなことをいうのはさすがに酷いぞ、と。

 

10万回遊んでもらってまだ赤字、みたいなことが起こるのが最新タイトルですよ。

専用筐体なんてとても置けませんってば。

それがコケたりした日には……

ああ、おっかない。

 

 

基板貸します、あげます!のパターン

 

これは私もよくやっていました。

ただ、貸します、稼働させてくれるならあげます! のパターンも困るものだったりします。

善意でそういう提案をなさるのでしょうが、それはとりもなおさず、

置き続けてくれという圧力だったりします。

前述のとおり、売り上げがあがらないゲームを置くことはお店にとって死活問題。

本当は「断ってしまいたい」という状況が多いわけなんです。

 

そんなわけで私の場合、あげる場合はお店の人「個人」にあげます。

稼働させてくれとはいいません。

あなたの資産です。売りとばそうが何をしようが私は文句をいいませんというんですね。

稼働の確約などもらいません。

とはいえ、「そんなの悪いよ、受け取れないよ」という場合もあるでしょう。

そういうときや、どうしても稼働させて欲しい場合は補償金を出しました。

つまり、いくら払えば稼働させておいてくれますか? というわけです。

ひと月あたり3万円や5万円、直接お金はいらないけれど、

「これくらいのインカムがあれば置いてもいいよ」といった

具体的な数字をいただくこともありました。

そういう場合は、供託金としてお金を出して、

「1ヶ月置いてください。必ずお客さんをつけますから」といって、

お店に基板を貸したり、プレゼントしたこともあります。

お客さんがついて、供託金以上お店が儲かったら供託金が返ってくる仕組みです。

 

これなら商取引上の契約です。善意の押し売りではありません。

ダメなら撤去、補償金や供託金は没収。

それだけのことです。

なんか冷酷無情、金の亡者みたいなイメージをいだかれるかもしれませんが、

私はこれが現状一番いい方法なんじゃないかな、と思っています。

交渉のやりかたとしても、お店の利益や存続を考えたうえでもベストだろうと。

 

私はそれくらいの苦労は平気です。

お金を出し、人を集め、イベントを運営し、店員よりも店員をしていた時期もありました。

地下から4階まで各タイトルの初心者同士の対戦を支援するイベントをやって、

大○保アルファの階段を上り下りしたものです。

(古くは秋葉原初心者3rd対戦会とかですね。懐かしい)

 

私はそれだけの覚悟や手足を動かす準備があるくらいゲームに惚れ込んでいるわけですが、

みなさんにもそんなタイトルがあろうと思います。

その場合、ここまで書きましたような交渉術で乗り越えてみてください。

私のお店ができた暁には、そんな感じでやっていこうとも思っています。

スポット的に稼働させるだけなら筐体貸切で対応できますが、常設してくれ! の場合は

この方針でまいります。

 

賛否両論どころか否の意見ばかりになりそうですけれども、

なにかを変えていかないと、アーケードゲームを楽しめる場所は維持できそうにもないので。

ご理解とご協力をいただければ。

そのぶん、おもしろい場所作りに励みますので、なにとぞ、なにとぞ。




2019年11月12日リバーサル業務日誌

Posted by サトウ ユウト