ビジネス書にミカドが載る時代

リバーサル業務日誌

2010年以来の再会

 

思わぬところで懐かしい名前に遭遇。『起業のための儲けの教科書』という本のなかに、「ゲーセンミカド」の文字を見つけました。

 

私、親方ことサトウはビジネス書の収集が高じて編集者にまでなってしまった変質者なんですが、そのころ通っていたゲームセンターが、住んでいた秋葉原各所のお店と、新宿……ではなく高田馬場ゲーセンミカドでした。記憶が曖昧ですが。毎週水曜日、著者の原稿を取りに行った帰りや、食事休憩を装って、紫色した胴着のケン使いの方にコテンパンに伸されにスト2のフリープレイイベントへ出かけたり、S本田使いのプレイヤーさんが関西へ移られると聞いては飛んでいったりしていました。

 

あ、仕事はサボったりしていませんよ。バイト時代も社員時代も、しっかり働いた上で、です。ムチャクチャな生活をしていました。そもそも編集者に勤務時間なんて概念はないので、どこでなにをしていようと、本が出ればいいのです。たぶん。

 

当時は趣味に時間なんて取れませんでしたから、1時間くらい遊べるゲームというのがとてもありがたかったことを思い出します。小さいころやっていたスト2なら、大抵どの駅のどのお店にだってあるし、秋葉原に住んでいたので10円で遊べるHeyさんがありました。もっともほとんどハイパーをやっていたんですが。わざわざ無修正X本田を選んで。100円、入れたかったんですね。学生時代は10円でしたが、社会人になるとたくさんお金を入れたかったんです。大人になって、場所のありがたさというものを感じるようになれたので。

 

考えてみれば、こうしてお店をつくる、しかも90年代なお店をつくるなどといいだしたのは、その下地として秋葉原のHeyやレジャーランド、トライタワー、シントク(GIGOほかセガ系列)、Jゲーム、ファンファン、ナポリ、ビートグルーパーズ……といったお店があり、そこに大久保アルファのような90年代のニオイそのままのお店、そしてミカドさんのようなかつての空気を持ったまま新時代に適応しようとしているお店を知っているからかもしれません。

 

ビジネス書大好き人間だったので、斜陽産業だといわれながらも、手を変え、品を変え、生き残りをかけるアイデアマンたちのことが大好きなんです。そういった人に声をかけて本を作ってもらうのが仕事でしたから、特に注目していたんですよね。

 

思わぬところで思わぬ記憶を呼び起こされるものです。スポラン、渋谷会館、ゲームインサクラ、バーサス、千葉ラッキー、ニュートン、中野TRF、オスロー……いろいろ見てまわりましたね。考えてみれば、ゲームが好きなのもそうですが、なによりゲームを楽しもう、盛り上げようとしている人が好きなんですね。好きだからこそ仕事としても、一段も二段も高いレベルでがんばれる。そんな人を見ているとまぶしく感じるわけです。

 

まさか自分が店をするだなんて思いもしませんでしたが、これからはまぶしく思って見ているのではなく、自身がまばゆく輝けるよう、がんばらないといけません。

 

それにしたって、こんな本でゲーセンの名前を見かけるとは。スタンド使いは惹かれ合うということですかね。

 

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