ゲーセンが地方の希望になることを願って

2020年4月12日おしらせ

持続可能な地域をゲームセンターの力で

 

学生のころ、徳島県は日本一娯楽が少ない地域であるということを誇らしげに語る大人に出会いました。徳島県でお医者さんが多いのも、その賜物だというのです。

確かに、そうかもしれません。でも、ずっと心に引っかかっていたことがありました。

 

娯楽が少なく、勉強に集中した結果、都会のいい大学・企業に入って戻ってこなくなっては、徳島としては丸損ではないのか?

 

ということです。

隣県のゲーム時間の制限についても、同じように思います。

丸損にならなければいいのだけれど、と。

ぜひ「徳島」の部分をみなさんのお住まいの地域に入れ替えてみてください。

 

都会には娯楽があります。もちろん、必ずしも褒められたものばかりではないでしょうが、伝統芸能などと呼ばれているものだって、はじめは煙たがられたでしょう。いまとなってはそういった小屋すら、地方には立ちません。

日常的に使える娯楽施設、気晴らし施設が圧倒的に不足していて、特に現代、徳島県には20〜40代の居場所が極端に少ないといいます。詳しくは先に書いたブログに譲りますが、地域の力を高めるなら、まずは地域に残ってもらう必要があるのではないかと思うのです。

 

都会から人を呼び戻そう、観光産業で稼ごうというのは、いまやどの地域もやっていることです。

私は大学で地理学を学び、街おこしの事例は嫌というほどみてきましたし、実際に全国の離島をまわって差し迫った過疎の問題もみてきました。そして、そこで行われているものの多くは、決まって旅行者か、私を含めた地方に移住しようという珍奇な人間のための施策なのです。

 

どんなに工夫したって、同じ日本です。豊かな自然といっても、北海道や沖縄のような極端さがなければ目立ちませんし、食事や文化もどことなく似ています。

まちおこしなんてするな、工夫をするなということではありません。そういった外に向けての努力よりも、中身の充実が先なのではないかということです。

入ってくる人や新しく生まれた人の数より、出ていく人のほうが多いのは地域の魅力、特に中身が足りていないからだと思うんですね。

 

私はこのままではいけないと考えています。

ヨソイキのかっこいいまちおこしではなく、もっと普段暮らしている人たちが満足できる「街づくり」も同時に行っていかなければ、地方は消滅してしまう。

一流大学や有名企業を一朝一夕で構えることはできませんから、まずは「楽しい雑貨屋」がある「美味しいお店」がある、「脂ギトギトのラーメン屋」がある、ゲームセンターがある、バスケットコートがある。そういう場所に行きやすい文化と環境がある……。

そんな良識ある大人からすれば、つまらなく忌避したいものが豊富にあることのほうが地域にとっていいことなのではないかと思うのです。

 

物珍しくなくてもいい。いろいろあるのがいい、のです。

 

経営の世界には、「美味しすぎるものは売れない」という言葉があるそうです。

美味しければ売れそうですが、あまりに美味しいと、その1回で満足して足繁く通ってもらえないんだそうです。どこかB級な感じのほうがお客さんが再訪してくれて売れる。

まちづくりも同じようなことなのではないかと思うのです。一度で満足する観光よりも、何度も訪問したくなる場所。そういったものが人を惹きつけ、定着させるのではないか、と思うわけです。

 

この仮説の実証もかねての大事業(?)です。

ぜひ応援いただければ幸いに存じます。

 

地域の人と結びついてこそ!

 

私はこのたびゲームセンターを徳島県阿南市那賀川町に開業いたしますが、別に若者に与して、年長者と敵対したいわけではないのです。むしろまったくの逆。地方を継続するために、若者に満足してもらえる場所づくりをし、成功事例をつくって、次の世代の開業や就職に勇気を与えたいと思っているのです。

 

徳島の、阿南の伝統を破壊してどうこう、なんて気は毛頭ございません。かくいう私も30年もすれば誰かに助けてもらわなければ生きていけない年になります。地域の継続というものは、もちつもたれつです。そうであるならば、「鼻つまみもの」の商売かとは思いますが、私にご理解とご協力をいただきたく存じます。

いま、若い世代に奉じなければ、若い世代も答えてはくれないでしょう。

地域の持ちつ持たれつの文化を、ゲーセンからつくる。

 

いままでと同じことをしていても、同じ結果しか生まれませんから、ちょっと違う切り口から攻めてみようと思うのです。

 

このブログをお読みになられたかたは、ぜひとも地域のかたと私を引き合わせてください。もしくは、FacebookTwitterで拡散いただければと存じます。

 

アーケードゲームも地方も「苦難」の時代だといわれて久しいですよね。同じ趣味の人間、地域の人間で、持ちつ持たれつできれば幸いです。なにとぞよろしくお願いいたします!

2020年4月12日おしらせ

Posted by サトウ ユウト