ゲームセンターを潰さないために我々ができること

2024年2月24日格闘ゲームゲームセンター, 利益, 営業, 運営格闘ゲーム, 利益, 営業, 運営

目次

ゲームセンターを潰さないために我々ができること

ゲームセンター利益損益分岐点

真剣に損益分岐点を計算してみる

 

まず、ゲームセンターが賃貸であるということにしましょう。自社ビルだったりすると税金や保険料がすさまじいことになりますし、建物の返済、管理も高くつき、計算も面倒なので。

 

秋葉原に小規模ゲームセンターを開業してみる

まず、東京で20坪の店舗を借りるとします。そのうち5坪はバックヤードです。保守点検のためのスペースですね。あと、店員の休憩室や業務スペースです。東京都心で20坪のお店……と考えたとき、私の土地勘からして、アイキャッチ画像の場所、秋葉原の中央通りから少し入った場所。ま、わかる人にはこれだけでわかるのでしょうが、わかんないって人は、都心の大動脈&オタクの街の中心から100mくらい入った超優良立地とお考えください。地方なら県庁の真正面か県内最大の駅の真ん前くらいのイメージですね。

 

こういうところを借りた場合、月にいくら必要か。ざっくりいうと、50万円くらいです。賃料が50万円。結構すごいことになっている気もしますが、これでも相当お安いです。百万円代じゃないだけグッドプライスです。50坪クラスの店舗になると、200〜300万円とかいうのも出てきますからね。

 

ちなみに、1坪は畳2枚分です。アーケードのビデオゲームは対戦台にすると、1坪に置くことはできても、プレイヤーが座るとはみ出すくらいのスペース。通路を考えれば対戦台を置くには2〜3坪(4畳半の部屋)くらい欲しい感じです。イメージできましたでしょうか。

 

店内にカウンターや設備類、自動販売機を構えるのに5坪は欲しいですよね。残りの10坪にゲーム機を置いて、対戦台が5セット。これが快適なお店のギリギリでしょうか。

 

原則、この5セットで50万円の賃料と人件費(50万円・店長とバイト2人ぶんくらい)、光熱費・維持費その他雑費(10〜30万円)を出さなければなりません。

損益分岐点は130万円ということにします。これなら営業面でギリギリ安心できる。

この130万円を5セットで分担するので、1セットあたり月に26万円稼いでもらうことになります。これでトントンということです。

1クレジットが50円で、月に30日営業するとして、毎日約175クレジット入れば、このゲームセンターは赤字にならないということになります。

 

どうですか?「あ、そんなもんなのか」と思いましたでしょうか。5台すべてが175クレジット毎日入るということは、1クレジットあたりのプレイ時間が3分だったとして、9時間ぶん回されていなければならないということなんです。10時開店、24時閉店だとして、14時間のうち9時間。すべての台が……。

 

これは厳しい。厳しすぎるので、家賃の安いところへ行こうとすると、今度はお客さんがきません。家賃は都会が高いのではなく、実は地方のほうが人口比で見ると割高になります。というのも、建物の値段は全国どこで建てても同じだからです。地方に建てれば安くなるということはありません。都会は土地が高い、固定資産税が高いということもありますが、それは適正な市場価格です。神の手で誘導された価格ですので、いたずらに高いわけではないでしょう。それだけお客さんがきやすいということなんです。

 

さらには地方になると車社会なので駐車場が必須となり、そのぶんの家賃がかかります。駐車場を借りるくらいなら、駐車場を転貸したほうがまだ儲かる可能性があるというくらいで、ゲームセンター事業は本当に「慈善事業」なのです。

 

1クレジット100円は仕方ありません。50円だったら床に額を擦り付け、毎日10クレジットくらい余計に入れてあげてください。別に遊ばなくてもいいのです。10クレジット余計に入れて、店員さんにリセットしてもらえばいいのです……。

 

慈善事業と知ったからには

ゲーセンが減ってる、嘆かわしい。ではなくって、どうすれば減らないかな? と考えることです。ゲーセンが減ることにショックを受けるのに、ゲーマーという生き物は不思議なもので、お店の維持管理、運営、盛り上げのこととなると、急にお客様の立場をとります。

 

私はいろんなゲーセンで持ち込み企画をやってきました。それで盛り上がったお店からなにかしてもらったことなんてありません。お客さんをたくさん増やしたから、あなたはプレイはタダですなんていわれたこともないんです。ずっと変わらずせっせとクレジットを入れる側です。

 

なぜそんなことをするのか。そうしないとゲーセン文化が死ぬからです。誰かが盛り上げてくれるだろう、クレジットを入れてくれるだろうではダメで、あなたが盛り上げに行く必要があります。「自分はお客様の立場だから」ではなく、お店に行って、お客さん同士知り合いになったり、店員さんと仲良くなりに行くのです。

 

ゲームだけやりたいだけなら、いくらでも家庭用があります。しかし、お店という場は自宅にはありません。見ず知らずの人間と実際に会って仲良くなるということもなかなか起こりえません。ゲームを遊ぶことではなくって、お店という「仲間との出会いの場」に価値を見出してもらいたいと思うわけです。

 

なんか妙に熱く語ってしまいましたが、ゲームセンターには熱く語るだけの価値があります。

どうしてそこまで入れ込んでるんだろう? と思ったあなた、積極的にお店に行き、仲間をみつけてみてください。

きっと世界が変わるはずです。

変わらなければ相談してください。

変えて差し上げることができるやもしれませんので。

お節介が過ぎますかね。