知らないゲームを知らないままに遊ぶ「贅沢」について

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攻略法は自分で見出すという贅沢

常々思うことですが、なにかゲームが出ました、

プレイしようと思います。

はい、じゃあwiki見て、動画見て、それを覚えてスタートだ。

 

これ、本当に遊びの「アソビ」の部分を消してると

思うわけなんです。つまり、遊びという贅沢な時間を、

仕事と同義にしている。もっと正確にいうと、

強制的な作業にしてしまっていると思うんですね。

仕事は強制じゃないですからね。

自由裁量や好き好んでその仕事をしている人もいますから。

だから、効率のためだとかいって、自分で試行錯誤して考える

贅沢な時間を省略することは、ゲームなどの遊びを強制的な作業に

してしまってはいないか、と思うわけです。

 

確かにね、効率よくいかないといけない世の中ですよ。

でも、その効率は本当に自分のためになるのかと。

例えば、わからないことがあるというのがしあわせなんです。

それを許してくれる余裕がもう少しあってもいい。

試行錯誤して、間違った答えを出したとしても、

それを許してやれる環境。そういうものがないと、

人間なにも考えないか、失敗したくないからなにもしなくなります。

 

私なんかは94〜04年までゲームから完全に断絶された世界で

育ちましたから、成人してから秋葉原でゲームを見たとき、

ビックリしたんですね。右も左も見たこともないゲームだらけでした。

私のゲームの知識や記憶は91年のスト2で止まってましたから特にです。

ゲームセンターで見たこともないゲームに試しに100円入れてみる。

まったく操作がおぼつかない。ああでもない、こうでもないと考える。

それで入念に準備し、ようやく覚悟を決めて対戦してみるわけです。

秋葉原ですからね。いわずとしれた世界有数のゲーマーの街です。

対戦相手には困りません。

 

なにが起こったか。

いうまでもないですね。

惨殺ショーですよ。

抵抗要素ゼロなので、屠殺ショー。

 

いままで自分が考えていた動き、対応、

このゲームはこういうことだという固定概念。

枠組みすべてが叩き壊される衝撃。

ものの数分で、何日も考えてきたことがらが

すべてひっくり返される驚き。

はじめて見るゲームに囲まれる高揚から、

理解したという自惚れ、挫折まで一瞬です。

こんなに目まぐるしく心が揺さぶられる瞬間はそうはない。

これがね、案外病みつきになるんだと思います。

そんな体験から十数年経ってから、

「ゲーセン建てるか」とかいっているわけですから。

ゲームからまたぞろ離れていたのに、突如いいはじめるあたり、

何年経っても色褪せないほどに深く刻み込まれていたんでしょうね。

 

負けてもいい。本気でやっているなら

プライドがペシッとへし折られるのが嫌だから、

事前に調べ倒すし、得意なタイトルしか遊ばない。

勝てる相手としかやらない(これは昔もいたなぁ)。

こういうのはつまらない。

私は下手な人ほど大切にしたい。

これから考える贅沢な時間がたくさんある人だから。

 

0点を30点にするのは簡単で劇的だけれど、

90点の人は120点にはならない。

この上級者の削り出すような1点1点もおもしろいのだけれど、

やっぱり、最初のうちは、劇的に成長してしあわせになって欲しい。

将来の身を削ぐような努力や苦労話ばっかりするんじゃなくってね。

だって、究極的にゲームだからさ。遊びなんだもの。

 

遊びの苦労は最高の贅沢なんだけど、そこまで求めてない人に、

いきなり押し付けちゃいけないよね。

なにより自分で気づくと身になるけれど、

人に(押し付け気味に)教わると、なんにもならないから。

自分で考えて、試して、わかった気になって。

そうして大いに失敗して欲しいし、それを許す環境をつくりたい。

そんなこんなでゲーセンをやることにしたんですね。

 

また、○○勢といったような専門家じゃなく、

90年ごろのゲームセンターのように、

新作と聞けば、とりあえずなんでも手を出してみる風潮を

取り戻したいとも思っています。

どんどん先細っていきますよね。先鋭化すると。

どこかでプレイヤーがタイトルと1対1になっちゃったりね。

ありえないことですが。それもまたつまらない。

だって、遊びなんですから。

遊ぶ仲間があってこそでしょう。

いろいろと触り合えばいいと思いますよ。

上手も下手もなく。

 

ああ、そうそう。

新作といっても令和時代に出るゲームじゃなくってもいいんですよ。

 

あなたがはじめて遊ぶなら、それはあなたにとって最新作なんですから。