ゲーセン開業にいくらかかる?という質問について

2020年8月13日業務日誌ゲーセン, ゲームセンター, リバース, 徳島, 費用, 開業業務日誌, ゲームセンター, リバース, 徳島, 費用, 開業

目次

ゲーセン開業にいくらかかるか?

 

稼働中のアーケードゲームの解説や攻略の話題をやるサイトで

話す内容でもないのかもなんだけど、せっかくだし語っておこう。

まず、規模がてんでバラバラだから、みんなが考えているゲーセンっていうのが

どういうものかイメージを揃えておかないといけない。

東京の一等地や地方にビル一棟丸ごと! みたいなゲーセンは考えない。

プレハブ小屋のでっかいの、みたいな地方のコンビニくらいの規模で考えよう。

これくらいのサイズだと、ビデオゲーム筐体は20〜30台は置ける。

ちなみに音ゲーは筐体自体がすんごい高いからね。ビデオの話だけにするよ。

 

で、仮に30台置くとしよう。1台15万円でも450万円。

そして送料や設置の手間賃あわせて500万円くらいかな。

こんな感じで積み上げていくことにするよ。

 

 

かかるのはゲーム機のお金だけじゃない

 

  • ゲーム筐体と運搬設置費(500万円)
  • 両替機・イスなど(50万円)
  • ゲーム基板やメンテ用品(100万円)
  • 各種店内設備費・内装変更(300万円)
  • 許可申請費用(20万円・証紙代3万円弱含む)
  • 家賃と保証金(以下で考えよう)
  • 人件費
  • 各種固定費(電気代などが1月5〜10万円)
  • 内装変更で原状回復が必須ならそのぶんの供託金(数百万円?)

 

ざっとこれくらいはかかる。ゲーム基板が100万円になっているけど、

最近のゲームは実質パソコンとかPS……だから、1枚で40〜50万円する。

まさか30台全部別のものってこともないだろうけど、

新しいのを入れようと思ったら、それら×40万円で1200万円になる。

結構するよね。

 

いないと思うんだけど、もし、親方のように自分でお店を建てるとなると、

内装変更などの費用はいらないけれど土地代(1000万円前後はかかる)、

建物代、設計費、各種申請費に固定資産税、不動産取得税……などがかかる。

不動産取得税だけで見てもウン十万円だ。覚悟しような。

 

で、先ほど考えなかった家賃や証拠金。

賃貸の場合、敷金礼金が要るよね。店舗や事務所、特に風営法にかかるような

お店の敷金礼金は「保証金・証拠金」といった形で事前に徴収されることが多い。

しかも、アパート・マンションみたいに1ヶ月分なんかじゃない。

商習慣として、半年や1年、2年ということもある。

人気地域だと家賃の2年分は珍しいことじゃないんだ。

ゲーセンは不動産の世界では一般にアミューズメントって柔らかい表現に

なるけど、風俗店は(ゲーセンは風俗店だぞ)貸主が不安がることも多く、

どうしてもここを長めにとられたりするし、断られることもある。

 

コンビニサイズのお店を借りると、月に30万円くらいは家賃が要るだろう。

都会だと100万円なんてことも当たり前になってくる。

つまり、家賃30万円に加えて、最大で720万円の保証金が要るんだ。

とんでもねーな! こんなの払えないよ。

まあ、親方は4000万円借りて店建ててんだけどさ、出店するのに2000万円は

要ると思ったら、借りるの馬鹿馬鹿しくなってね。駐車場も要ることだし、買おうと。

リスクがとんでもないことになったけど、それでもいいやってね。

 

家賃を払えば済むわけじゃない!開業までの長い道のり

 

で、家賃を払って保証金を出したからって開業できるわけじゃない。

開業するための準備が必要だ。

特に考えなければいけないのは、ゲーム機の確保と開業届だ。

ゲーム機を確保しようにもアマチュアにはそう簡単に売ってくれない。

ちゃんと資力があることなどを示しても、先約があるからといって断られたりするのは

ザラだ。まあ、ゲーム機がなければはじまらないので、ゲーム機は確保できたとして

話を前に進めよう。

 

ゲーム機が確保できたなら、今度は店内の図面をつくらなくちゃならない。

これが素人だと大変だ。幸いにも親方は住宅関係の仕事をしたことがあって、

宅建の資格も持ってて、クソ雑魚デザイナーなもんだから資料をつくるのは自前でできた。

店内を測量し、音響や照明の設備図面をつくり、ゲーム機の配置図を描いて、

悪い人じゃないという証明や、風営法上の店を出してもいい地域だという証拠資料を

あちこちの役所をまわって入手した。

これ、司法書士さんや弁護士さんなんかにお願いするのが通例なんだけど、

基本的に20万円くらいはかかるよね。図面を設計士さんにお願いしたらもっとかかるかもね。

そんな金はない! から、自分でやったよ。

で、浮いたぶんで「エスプレイド」を買った。

みんなも遊んでくれよな。パワ〜〜アッップーー。って感じのシューティングゲームだ。

 

エスプレイドインスト

 

つまりは、だ。この資料を作成している間にも時間は過ぎていく。

この間はお店はやれないから、無収入だ。家賃は出ていくし、固定費も人件費もかかる。

何十万円ってお金がかかるわけ

 

そして、なんとか資料がそろっても、今度は公安委員会(所轄署が担当)さんの

審査を受けなくちゃいけない。まあ、当たり前だよ。風俗店なんだから。

八百屋や魚屋のように、ホイホイ開業されちゃたまんない。

あ、小売業をバカにしているとかそういうことじゃないよ。

小売も卸も飲食だって大変だ。元手や店賃は要るもんね。

ゲーセンは風俗店だから特別厳しいし、それが当然ってハナシでね。

 

ゲーセンをやる本人でもそう思うんだから、

ゲームなんかに関心がないような地域の人は不安になるだろう。

だからこそ、こういったところはしっかりやってもらうべきだ。

法律で決まっているのも当然だと思う。知らないものは怖く感じるもんね。

どうも警察や公安委員会を悪者みたいにいう人がいるようだけど、

そうじゃない。治安のために働いてくれる人がいるから成り立ってんだよ。

余計な仕事をつくりに行くのが申し訳ないくらいだね。自分としては。

それでも行くけどね。モグリではないゲーセンを堂々とやるために。

(お世話になります。ホントにね)

 

で、開業したければ、審査を受けなくちゃならないわけなんだけど、

そのために書類を持って所轄署の窓口に出かけることになる。

申請に行くと、たぶん自力申請するほとんどの人が

書類不備で返されるから、1、2回は申請前に教わりに行っておいたほうがいいね。

自分は知人の助けもあったけれど、地域ごとにルールも違うし、必要書類も違う。

所轄の人に教わって、何度も作り直しにならないようにしたほうがいい。

もっとも、事前に自分でできる限り調べて、

担当者の迷惑にならないようにしておくべきだと思う。

 

で、書類がまとまっていて問題がなければ、所轄署が受理してくれる。

受理されると日付が確定するので、そこからおおまかに警察が休みと規定している

日にちを除いて、55日以内に返答することがルールになっているらしい。

1ヶ月が20営業日だとして、大体3ヶ月ということ。

ゲーム機の準備、資料の準備に1ヶ月かかったとしたら、

4ヶ月くらいはなにもできないってことだね。

月に30万円の家賃なら、120万円か。

デケーよな?!

いや、デケーだろ!!

型落ちの軽自動車なら買えちゃうぜ〜。

ここに人件費……いや、もう考えるのやめようか。

 

 

ざっくりまとめると

 

諸々コミにすると、小さいビデオゲーセンをやろうと思ったら、1500〜2000万円は必要だ。

ガン○ムみたいなネット通信が必須で、メーカーと契約するものを置くなら、

ゲーム筐体だけで2000万円くらいは追加で持ってないとダメ。

 

ここまで聞いて、キミはどう思う?

親方のアホさ加減にびっくりしたんじゃない?

これでも結構少なく見積もっているくらいなんだ。危険があぶないよね。

 

 

ゲーセン開業は大変だ!

 

大変だからやめとけ! みたいな安易なことはいわないよ。

やりたければやればいい。やりたいなら、やるしかない。

 

でもひとつだけいわせて欲しい。

親方は人生賭けちまった。

人生賭けるくらいの価値があると思ったからだ。

その覚悟だけは問いたいと思う。

だから、あんまり人生の早い時期に結論しちゃうのは

よくないかもしれないな。じっくり見ることだって大切さ。

 

で、なんで賭けちゃったかなんだけどさ、病気で5年も生死の境をさまよってね。

いまも後遺症や難病でボロボロなんだけど、それでもできそうなことを

生きてるうちにやってやれと。

あと、最近アソビが悪いことのようにいわれだしたなって思ってね。

バブルの反省なのかもしれないけどさ。あれはよろしくないけども、

あらゆるアソビや余裕を悪徳のようにいう人が増えたよね。

 

人が集まって楽しむことってのが、最近どうも「悪いこと」のように

いわれはじめた。それで居心地悪かったってのが大きな要因かもね。

それでみんな元気がなくなっちゃってる気がするんだけど、どうだろう?

 

あ、コロナとは無関係にだよ。ゲーセンを建てはじめたときには、

コロナなんて影も形もなかったからね。そういう意味で集まるのは

よくないことだね。コロナは対策必須だ。ソーシャルディスタンスだな。

 

そうじゃなくって、遊ぶこととか、そういう余暇活動やストレス発散を、

「無駄」や「犯罪」のようにいう世の中になってきたように思うんだ。

その無駄な時間がなければ、もっとあなたの人生はよくなるのに! みたいなさ。

 

でもね、もはや人間って無駄じゃんか。機械に勝てない。

人間がわざわざ勝ち目のない機械のほうに寄っていって苦しむよりも、

人間らしさのなかに価値をつくっていって欲しいと思う。

起きて、学校や仕事にいって、ボロボロになって寝るだけ。

こんな生活が本当に人間にとって正しいんだろうか?

機械的に暮らして、本当にしあわせになるのかっていうさ。

事実、しあわせになってないじゃんね。ゲームどころか、本を読む時間もない。

それじゃあ、やっぱダメなんだよね。

緊張しっぱなしでは、いいアイデアも浮かばない。

緊張の緩和のための場所ってのが、どんな地域にもひとつくらいはないと、

若者はいなくなるし、人間が人間らしくいられなくなると思う。

若者に限らず、中年も疲弊してるんだ。居場所がなくってさ。

だから、ゲームセンターにした。ほかにも釣具屋とか、古本屋とかも考えたけどね。

我々中年も生き生きできそうだからさ。なにより、自分くらいしかやらないしね。

 

なんだか長々と語っちゃったけど、つまりは、

 

田舎と人間らしい暮らしのために、

人生賭けてとんでもねえ金額ぶっ込んだから、

みんな、ドチャクソ遊びにきてくれよ!

 

ってこった。よろしく頼むぜ!

 

これで、なにかの参考になったかねぇ?

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