またまたやってきた、レバー論

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目次

レバーはセイミツ!ボタンは三和!

 

オヤカタのこだわりとして、レバーはセイミツ。ボタンは三和「だった」。

あえてだった、と書いたのは、最近そうでもなくなってきたからだ。

 

それぞれのレバー特性をザックリと書いておこう。

ここを読んでいる人でセイミツと三和がわからない人は少数派だろうけど、

念のために説明すると、これらはレバーのメーカーの名前だ。

セイミツは2000年前半くらいまでのビデオ筐体の標準レバーで、

三和は最近のゲーム機に標準装備になったメーカーさんなんだな。

 

 

セイミツレバーの特性

で、レバー特性なんだけれど、セイミツレバーは総じて誤入力が少ない。

厳密にはわからないけれど、例えば右に入れたあと、パッと離したときに左に入っちゃう

といったことが少ないんだ。反動で入力されるカウンターがない気がする。

それを支えているのはレバーシャフトの短さなんじゃないかなと思っていて、

セイミツのレバーはシャフトが数ミリ短いんだよね。

短いから力が動かすのに力が要るけれど、それを加味してセイミツさんは

レバーを柔らかめに設定しているような気がする。

後述するけれど、三和さんのほうはシャフトが長いから、三和さんがあえて

硬くしているだけかもしれないけどね。

 

このシャフトが短くて、カウンター入力が起きないののなにがいいかというと、

シビアな入力が求められるゲームで、正確に入力したはずなのにレバーのせいで

余計な入力があって失敗するということが減るんだね。

一番わかりやすいのはシューティングのチョン避けというテクニック。

数ドットずつ動かして弾を連続して避けるとき、チョンチョン……と入力したら、

レバーを離した瞬間にカウンター入力が起こって自機が戻ろうとする。

こんなことがあったら、弾幕シューティングなら即死だよな。遊べたもんじゃない。

あとは先行入力の効かない格闘ゲームだ。昇龍拳も変なところに入ると許さんぞ!

ってシビアなものだと、三和のレバーだと出なくってびっくりすることがあるかもしれない。

三和でも綺麗に入力していれば出るんだけど、それは肘ごと腕を引き回すような

被せ持ちやブランデー持ちでの入力で、つまみの人間には厳しいようにも思う。

ガツン!と特定方向に入力するのではなく、繊細に入力する人はセイミツでないと

つらいかもね。これは操作スタイルによるから、そうじゃない人も多いと思うよ。

 

オヤカタは元々投げキャラ使いでね。ずっとザンギエフとスト3のヒューゴーを

やっていたから、長らくブランデー持ち(ワイン持ち)だった。

それをつまみに変えたんだ。投げキャラ使わなくなったからね。

本田(投げキャラだけど溜めキャラ)になったから、2000年くらいに変えたんだ。

すると、三和のレバーは辛い。カウンター入力を活かして、レバーの反動で

2回転なんかを出していたんだけれど、そういう操作は誤操作の元だと痛感した。

三和は投げキャラ使いの味方だったんだね。

昔も「ぷるんスクリュー」なんてテクニックがあったけれど、まさにそれだ。

 

色々脇に逸れたけど、セイミツのレバーは短くて誤入力が少ない。

これがプレイヤーにとっての特性だな。お店の側の特性としては、

メンテをサボっても個体差が出ないというものがある。

メンテサボんなって話じゃなく、セイミツレバーですっていっている店なら、

大体同じフィールで遊べるというプレイヤー側のメリットもあるからさ。

あんまり責めてやんなよな〜。

 

三和レバーの特性

こうしてみると、なんだか三和レバーはダメに思えるだろうけど、

そうじゃない。

最近の汎用筐体が三和を採用しているのは、営業マンの努力なのかもだけど、

それなりに理由がある。とオヤカタはにらんでいる。

 

かつて、オヤカタはガキンチョだった。ガキンチョはセガの汎用ビデオ筐体の

エアロシティで遊ぶのは大変だった。でも、SNKの駄菓子屋の店先に置いて

あったアップライト筐体ってのなら遊びやすかった……。

 

どういうことかわかるかな?

子どもってのは基本的に小さいんだ。

いまのオヤカタみたいに人が避けて通るようなサイズは別として、

(威圧する意図はないんだ。デカくて邪魔ですいません)

ゲームは大人向けというより、子ども向けだった。

だからレバーは短くてちょうどよかったんだ。セイミツがしっくりきた。

子どもが乱暴に扱うから、メンテが楽で狂いがこないのが大前提だったんだ。

でも、我々は大きくなった。ゲーマーの平均年齢はそのままスライドして

高齢(!)になった。だから当然、手だってデカくなったんだよね。

デッカい手で短いシャフトをいじくるのは大変だ。

大人になった親方がつまみ持ちに切り替えたのは、手がデカいと大変

だからだったのかもしれない。どうにも上手く動かないのだ。

そういうわけで、三和さんはシャフトの長いレバーを出している。

多くのビデオ筐体メーカーも、プレイヤーが大人ということで

レバーの長さは長いほうがいいということになってきた。

それで市場を奪取したのでは、と思っている。

 

三和レバーはシャフトが長いから、そのぶん重めにつくっている

気がする。重さのぶんカウンターが減るかと思ったけれど、

やっぱりシャフトの長さが勢いづかせて逆方向に入りやすい。

先行入力や判定が甘い最近のタイトルであれば、三和レバーの独壇場と

いっていいかもしれない。

小気味のいいクリック感に慣れていると、「スニュッ」って感じで

入力させるセイミツレバーはびっくりしちゃうかもしれないな。

 

どちらがいいかは人それぞれだから、どのレバーだからダメだ!という

こと自体がナンセンスだと思う。体格やプレイするゲーム、使うキャラ、

諸々の条件があるのだから、それを揃えずに議論するのは無駄なことだ。

 

ちなみに、どうしてもそのレバーでやりたい! ってのがあれば、

1日で100クレジット叩き込むなら交換するぞ。

いないだろうけどな〜。

 

蛇足かもしれないがボタンのはなし

 

オヤカタはボタンは三和派だ。レバーでセイミツを推しているのは

セイミツファンで三和アンチだからじゃない。是々非々だよ、ここは。

で、三和ボタン派である理由は、打撃感が軽くてやわらかだからだ。

オヤカタは本田使いだから、しょっちゅうボタンを連打してきた。

最近は半身麻痺と痛みでどうにも……なんだけど、それでも

ボタンを叩いた感触がやわらかいのはありがたい。

セイミツのボタンは硬いのだ。叩くと硬いものを叩いている

感覚がそのまま押し返してくる。これが連打キャラには辛い。

一日中叩いていればわかるけれど、ヘトヘトになるし、指も痛くなる。

 

シューティングゲームのプレイヤーでも、レバーはセイミツ、

ボタンは三和って人がいるのはこういう理由だと思う。

なお、三和のボタンは反応が速すぎて、少し触れただけで技が出るから

誤入力が起こりやすいと聞く。でもまあ、それは、

「触んねーように注意しろよな!」

ってことでいいんじゃないかな。

 

最近はいろんなメーカーからいろんなレバーやボタンが出ているようだ。

そんな製品を並べて、操作感を確かめるイベントとかをやるのもいいかもね。

あと、徳島の木材で作ったレバーやボタン、藍染めで塗装したレバーボール

そんな民芸品とかができるとおもしろいかもしれない。

 

そんなわけで、レバーのはなしでした。

ちょっとは参考になったかな?