ゲーセンの常連ばかり優遇&新しいゲームが入らない問題についての論考

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いまのゲーセンは新しいゲームを「買えない」

 

 

ゲーセンが常連ばかり優遇するのはこの小見出しと密接に関連しているんだ。

つまり、新しいものを置けないから、いまいるプレイヤーを大切にするほか
ないってことなんだよね。

 

冒頭の画像にあるのは、リバースで希望が出されて、この1年で購入した
タイトルの一覧だ。開業前を含めれば、ここにエスプレイドやケツイ、
怒首領蜂大往生、エスプガルーダなんかのシューティング類が入る。

 

これ、相当良心的なゲーセンだと思うわけよ。
自画自賛というか、基板の購入は100%オヤカタのポケットマネーだからね。
ほかの仕事で稼いだモンで、みんなに遊んでもらおうと買ってるんだ。
まあ、ご存知のとおりというか、一部の常連さんには怒られてるんだけどね。

 

そんな買いかたしてたら、潰れるぞ!
遊んでくれる人がいるタイトルだけに絞れよ!

 

って。

まったく、その通りだと思う。
この1年、導入してくれたら毎日行きます! みたいな人もたくさんいた
けど、基板の購入金額の20%も減価償却できてないんだ。
うん、みんなこないんだよ。わかっていたことではあるけどね。
それも含めて納得のうえで導入している部分もあるから……。

だから常連さんに怒られる。
甘ちゃんだって。

彼らはリバースを大切に思ってくれていて、経営に危機が訪れては困ると
オヤカタ以上に心配してくれている、本当に熱いハートの持ち主だ。
そんな「無駄遣い」はやめてくれってのがマジなところだろう。

 

しかし、こうした内々のメンバーに向けた経営をすると、
地域の遊び場として開かれた場所にならなくなっちまう。
対戦格闘はスト2とキン肉マン(こいつらで運営費がもってる)だけ、
あとはクイズとシューティングでおしまい!!

これが「選択と集中」としては正解だと思う。
かつてのビジネス担当編集者だったオヤカタなら、
偉そうに講釈を垂れてることだろう。
「経営の基本がわかってない」とか抜かしてな。

……青二才め。

 

開かれた場所であって欲しいんだ。
ゲーセンはさ。
それが無理、ないしは極めて難しいことはわかってる。
でもね、それじゃあダメだとも思うんだよ。

 

とはいえ、数字を出して考えてみれば、これがいかに非現実な願いなのかは
カンタンにわかっちまう。

例えば、50万円の最新ゲーム基板を買うとしよう。
(某ロボゲーみたいに数千万とかじゃないだけ、とても良心的だ)

 

1プレイ100円だったとして、1プレイが30分。10時から24時まで14時間。
ずっとプレイしてもらえたとしたら?

14(時間)×2で28回だよな。
面倒だから甘く見て30回にしておこう。

 

30回が1ヶ月の30日で「900回」だ。
つまり、1回100円なら、9万円ってことになる。
50万円の基板が償却できるのにどれくらいかかるかというと、
50万円/9万円だから、5.5ヶ月。約半年だ。

もちろんここには、筐体やメンテナンス費、人件費に家賃や電気代等固定費
なんかは含まれていない。1プレイ100円ではなく50円なら、さらに倍だから
償却に1年プラスアルファってことになる。

 

これ、1年間毎日、ずっと誰かが遊んでいるという
「ありえない想定」のもとで計算されているからね。
普通ならこれの数分のイチってところだろう。
となると、何年も償却にかかっちまう計算だ。
時間がかかればかかるほど、バージョンアップだとか飽き、メンテで償却は
さらに難しくなる。

 

暗い話題になっちまったな。
申し訳ない。
でも、そういうことなんだよ。

 

業としてやっているゲームセンターが、
「たった50万円ぽっちのゲーム」すら買えない。

いや、もっと現実的に、
「たった数万円の基板や修理費が出せない」

というのが実情なんだ。
だから、導入希望の発言には責任が伴う。
もっとも、こんなこといまのゲーセンでバリバリ遊んでる面々は百も承知だ。
よって導入希望を口にするのは無責任な人が割合的に多くなるわけなんだな。
結果、ゲーセン店員が無関心になるんだね。
常連でもないのにいきなり稼働希望を出す人はヤバいって経験が働くのだ。

そうして聞き流すスルースキルを身につけてしまうんだね。

はじめはそんなことなかったはずだよ。
ゲーセン店員はゲーム好きだろうからさ。
プレイヤーのために!ってがんばったこともあったろう。
で、上司を説得して導入したのに本人は遊びにこないし、稼働もダメでさ。
叱責されたりで嫌な思いをしたら、そりゃもう心を閉ざしちゃうよ。

……可哀想だよな。

それを常連優遇だ、新規に冷たい、客商売がわかってないって責めるのは、
死人に鞭打つような行為だぜ。
店員さんの心が折れちゃうよ。

 

何度もいっているけれど稼働させたいゲームがあったら、
説得材料を持って行かなきゃダメ。
オヤカタがやってきたみたいに稼働補償金を出すとかさ。
プレイヤーをつけると約束するとか、なんでもいい。

自分が気が向いたときに行って、ちょっと遊ぶために置いとけよ!
なんて通用しないというか、それが通じるのは
超ドデカい都会のゲーセンだけだよ。
都会のゲーセンですら最近は通用しないんじゃないかな?

秋葉原の某店でも20年近く前からインカムを見て、
せっせと入れ替えしてたから、漫然と動かないタイトルを置けるほど、
どのゲーセンも楽じゃないと思うんだよね。

 

ああ、ま〜た暗い話題になっちまった!!

ともかくだ。毎日、座席が常に温かいくらい人が遊んでいてはじめて、
数十万円もする基板が買えるってことだな。

 

ちなみにオヤカタは諦めはしないぞ。
本当に遊ぶって人がいるなら、そういうタイトルも考える。
ただし、半年以内に償却できるくらいの条件で、だ。

口約束じゃないのは、冒頭のリストでわかってもらえるよな?!

 

 

ゲーセンの理想のかたちを求めて

 

 

ゲーセンって本屋さんや図書館と公民館が合わさったような場所だと
思うわけなんだ。少なくともオヤカタの理想の場所はそういうゲーセンだ。

 

ゲーセンに理解がない人がいたらこう説明してやってくれ。
本屋と公民館があわさったような場所だってね。
なにやら高尚で、必要そうな感じがしねえか?

オヤカタたちにとっちゃあ、必要な場所だもんな。
な〜んにもウソや大袈裟をカマしちゃいねえ。

 

知らないゲームに出会える場所。本屋さんも知らない本に出会えるだろ?
図書館だったら司書さんに頼めば、望みの本を探してくれる。
ゲーセンもそうであって欲しい。合うゲームを見つけてくれる場所。

で、公民館でやってるクラブ活動とか集会みたいにさ、定期的に
知り合いと会う場所であって欲しいわけだ。
できれば、以前からの友達じゃなく、ゲーセンでできた仲間と会う場所だな。

そういう、肩書きや過去に縛られない空間だから、ゲーセンはいいんだ。

 

リバースもオヤカタも本当に大変だけど、理想のゲーセンってのを追い求めて、
体調が戻り次第がんばっていくつもりだ。

 

常連の熱望するストリートファイターEXを買ったからさ。
こいつと筐体の償却をしねえうちには死んでも死にきれねえよ!!(笑

 

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