ゲーセンは減っちゃダメだっつってんでしょうが!

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ゲーセンのこれ以上の減少は見過ごせない

だけどみんなが綺麗事だと思ってるようで

 

オヤカタはずっとゲーセンがこれ以上減るのはキケンだといっている。

それはリバースをはじめる前からだし、いまでもそうだ。

なのに、「とはいってもライバルが消えてくれるとうれしいですよね?」

みたいなことをいってきたり、綺麗事をいっていると決めつけてくるヤローがいる。

人によく見られたくてこんなことをいっている詐欺師みたいに思われているんだろうが……

 

あのなぁ、こいつは本心なんだよ。

ゲーセンが減るってことは、ゲームに触れる機会が減るってことなんだ。

あんたらは大人だから自分で触れにいけるから忘れてるだけでな、

子どもからすりゃゲームの原体験ってのは親や年上の人に連れて行ってもらった

ゲーセンだったりするわけだよ。

 

これはゲームメーカーにもいっておきたいね。

オンライン配信のゲームがコストもかからねえから、これでいいぜ!

みたいに売ってるんだろうけれども、それってとんでもない数のなかから見つけ出してもらう前提だ。

ゲームサービスに自分からアクセスしてくれるならそれでもいいが、

そのうちままならなくなる気がしてならない。

アタリショックがくるんじゃねえかと思って仕方がないんだ。

楽しちゃダメなんだって。

 

オヤカタ世代はゲーセンどころかスーパーでも駄菓子屋の軒先でも

アーケードゲームが置いてあった。数十円で遊べたりして、それが格ゲーの初体験だったりもした。

だからこんなにすんなり受け入れているし、我々世代の共通認識みたいになってるわけだ。

自分でわざわざ選ばなくても、向こうから勝手に生活圏に入ってきていた。

視界に入ってるってのは強いんだよ。選ばせる強制力を発揮しなくていいからさ。

 

オヤカタは広告屋だし、元コンサルタントだし、元出版社の人間だ。

だからまあ、なんとなくわかるわけだ。

宣伝広告なんて「おまけ」だし、正道だとか正統だとか元祖なんてものより、

みんながよく知っていることが圧倒的に強いんだよ。

世界一美味しいハンバーガーがあったとしても、一番売れるのはおそらくマクドナルドだろう?

知ってもらう努力をしているところは強い。

そしてそういう努力をしているところが最終的には勝つ。

人と繋がる部分を機械に代替させてラクしちゃダメだぜ。

それは手抜きであって効率化じゃないんだよ。

 

ゲームの原体験を与えるのがゲーセンであって、

それは小さな遊園地でもあるし、セレクトショップでもあるわけだ。

基板を開発してゲーセンに販売するリスクを負いたくないから

配信で済ませるんだろうけども、そうなるとゲーセン側もセレクトショップとしての努力を怠る。

エ●ュ機と一緒だからね。全部入ってるから勝手に選んで遊んでくれ、になる。

そうなりゃ専用筐体しか相手にしなくなるし、プライズ機にかかりきりになるし、

ビデオゲームなんざどうだっていいって店員も増える。

長期的に見て自殺しにいってると思ってんのよ。オヤカタはさ。

結果ゲーセンがますます減っちまって、努力のしかたも忘れて。

開発会社も弱り果てて、またコストカットに走っての悪循環。

 

繰り返しになるけれど、効率化の名を借りた手抜きはダメなんだよ。

ゲーマーじゃない人にゲーマーになってもらう努力を投げ捨てちゃダメだ。

 

例えばだけど、缶コーヒーはUCCの上島珈琲が作ったよな。

でも、一番売れてるのはおそらくジョージアだよね。

つまりコカコーラだ。

ポカリスエットはどうよ?

オヤカタは徳島生まれだから地元の大塚製薬のポカリスエットを

すごく愛しているけれども、一番売れてるのってアクエリアスじゃない?

やっぱコカコーラじゃねえか。

 

なぜこんなことになってるかってーと、コカコーラの財力もあるかもだけど、

やっぱりさ、自販機の数だよ。

これで圧倒されちゃったよね。

人と触れ合う部分、缶コーヒーやスポーツドリンクの原体験を

自販機で植え付けちまったもんだから、そうなってるんじゃないかね。

 

ゲーム会社がどう思ってるかはわかんねーけど、

誰に買ってもらうかのゴールの部分ばっかり見てねえか?

いまいるゲーマーをどんなに分析してこねくりまわしたところで、

いまある市場の一部しか獲得できねえってのによ。

 

だったら継続的に新しい人に入ってもらう努力をしなきゃなんねえ。

そのためには、すでにゲーマーな人に売るための窓口じゃなく、

ゲーマーじゃない人間をゲーマーにする入口の確保だって重要なはずなんだよ。

それにはゲームのセレクトショップであったり、暇つぶしに行けるゲーセンってのが

なかなかに適していると思うワケだ。

 

そりゃあ、非現実な方法だと思う。

ゲーマーに聞けば「家でできるからゲーセンはオワコン」というだろうな。

でもさ、繰り返しになるけれど、必要なのはゲーマーじゃなくて、

まだゲームをやってない人の意見だろ?

未知の人間にゲームの魅力、ゲーセンでしか味わえない人と人、

時間と場所を共有する楽しさみたいなのを伝えたら、

はじめっから諦め切ってるゲーマーとは違う反応になるかもしれん。

 

ゲーセンってのは家で酒を飲めば安いけど、スナックやバーに行くのと同じだよ。

オヤカタは酒飲まないけどさ、人と酒を飲まずに家でひとりであおるなら、

それって睡眠薬飲んで酩酊、昏倒してんのと一緒じゃんかと思うワケ。

辛い現実に目を背けるためのクスリでしかない。

まあ、それはそれで役に立ってんのかもしれないけれど、

本来楽しいはずのゲームでそれはどうなんだと思うのよ。

そりゃ一人用のゲームもあろうよ。シミュレーションを延々やるのは好きだけどさ、

辛い現実から目を逸らすためにゲームをする「だけ」ってのはなぁ。

みんなで楽しむことでゲームの楽しさの原体験ってのができあがったほうがさ、

豊かになると思うんだ。なぜかゲーマーのなかにはそういう楽しみかたを邪道と断ずる人もいるけど。

 

ま、ここを深く掘ると本来の主旨と変わるからやめておくけれども、

ゲームに触れる機会、家ではできない楽しみかたってのができる場所はなるべくたくさんあったほうがいい。

90年代中盤までの過当競争もどうかと思うが、あれくらい身近にゲーセンがあったから、

そのときの貯金や資産でいまだにゲーム業界が復刻とかして潤ってるわけだろ?

減っちゃダメなんだって。身近じゃなくなるから。

身近じゃなくなれば、10年後ゲームがどうなってるかわからんぞ。

事実、既にビデオゲームっていっても理解できない世代がワサワサ出てきているだろ?

 

周辺店舗が潰れたら自店が儲かって万々歳だね!

みたいなことをいってられる段階はとうに過ぎてんのよ。

こいつはゲーセンは当然として、開発サイド、プレイヤーを巻き込んでみんなで考えないといかんことだね。

ゲーセン同士や内部(客同士)でケンカとかしてる場合じゃねえっての。

もっと広く広く見ようや。

頼むぜ、(元)ボーイズ&ガールズ