ヒットするゲームの条件について考える
目次
おもしろいアーケードゲームの条件を考えよう
簡単かどうかが何よりも重要
店主のオヤカタがリバースをやりはじめて5年。
元々40年来のゲーマーではあるけれども、
この5年で色々とわかってきたことがある。
おもしろいアーケードゲームには共通点があって、
それを外すと途端に流行らない。
グラフィックが美麗だとか、洗練されたゲームデザインとか、
そんな問題じゃない。
おもしろさは「簡単」かどうかに左右されるということ。
芋臭くても構わない。むしろそれが魅力になることもあるし、
見た瞬間に何をやればいいかわかる
ことが最も大切なんだ。
格ゲーなら相手の体力バーをゼロにすればよく、
シューティングなら敵をやっつければいい。
これが美しさすら感じるシンプルなゲームデザインで、
おもしろそうだと思われる要因なんだ。
わかりやすさは最大の武器(魅力)だよ。
一方で体力バーがない格ゲーや、
相手をやっつけるのではないシューティング、
相手を倒すより敵の誘導や避けることを念頭に置くシューティングは
初心者に二度と遊ばれないし、そもそも初心者はおもしろそうと思わない。
つまり、遊びさえしない。
ここを「根性なし」と突っついたってしょうがない。
魅力がないと判断されたものはどうしたって厳しい。
じゃあ、魅力があるアーケードゲームってどんなんだっていうと、
やっぱり先述のような「簡単そう」に見えること。
すぐにできそうだと思えることともうひとつの要素だと思う。
そのゲームは後悔させられているか?
もうひとつの要素ってのが、後悔させられているか、なんだ。
よくわからないかもしれないけれど、順を追って話すから聞いてほしい。
まず、「簡単そうだな」と思うことが大切だといったよね。
つまりこれは侮っているわけだ。自分にもできると確信している状態。
しかし、実際はそうはいかない。
すると、「天才の俺様がなぜできない?!」となる。
これが重要なんだ。
できると思っていたことができないと悔しい。
プレイングに後悔する。だからもう一回やる。
自分がこの程度ではないと証明したいからだ。
そしてここに半端な恥ずかしさがあってはいけない。
マリオが大ヒットしたのもそういう要素だと思ってて、
ジャンプして進んでいくだけの簡単な内容なのに、
あまりにも簡単なのに、クリボーに当たってやられる。
「そんなバカな!!」
「俺様はこんなこともできないのか?」
恥ずかしすぎるから、もう少しだけやる。
これが半端な恥ずかしさだとダメなんだな。
マリオをはじめてプレイして、4~5ステージクリアできてしまっちゃいけないんだ。
「ま、こんなもんだろ」ってなるから。
失敗は信じられないほど情けないのが望ましい。
簡単に見える難しいゲームが当たる
こんなこと、当の昔にわかっていることだと思うけれど、
改めていっておこう。
リバースでは上海やゴルフ、80年代前半みたいなジャンプアクションが人気だ。
これらはすごく簡単に見える。
簡単に見え過ぎて、「こんなもんやる意味ないよ」とかいう人が出てくる。
それくらい簡単に見えるのに、実際にやってみると難しい。
こういうゲームが一番当たるんだ。
(やる意味ないとかいう輩はどれもロクにやらんからほっとけ!)
例えば、お手玉をするとしよう。
3つのお手玉は難しいから、2つでいいよ。
これなら大抵できるだろう。
じゃあ、次に階段を昇ろう。
階段の昇り降りくらいなら難なくできる人が
多いはずだ。オヤカタは最近しんどいけどな!
で、これら1つ1つはどうということもない難易度で、
「これできる?」
なんていったらバカにしていると思われかねないんだけれど、
2つ同時にやるとなるとどうか? ということなんだ。
念のためにいっておくけど、危ないからやらないでね?
階段を昇りながらお手玉は難しい。
がんばればできそうだけど、リスクがある。
これが重要なんだよね。
1つ1つは大したことがない。
パッと見で、なんだ、そんな単純なことか。
誰でもできる、いつでもできるな。
それくらい侮られるくらいでちょうどよく、
でも実際にやってみると結構難しい。
だから、自分ならできるはずという勘違いからはじめて、
「こんなはずでは」と思うから繰り返す。
これがおもしろさの正体なんだよ。
ちなみになんだけど、この自責思考の人はこうして泥沼にハマって
ゲームを楽しみ尽くせるんだけど、他責思考の人は楽しめないんだよね。
自分が失敗したのは、負けたのは自分のせいじゃないと思う人はね、
どう対応しても上手くいかないってのもゲーセンやっててよくわかった。
自責思考だと楽しめるゲームが好きな人は、どんなゲームも楽しめる。
人生、圧倒的に得するから自責思考ゲーマーになったほうがいいぜ。
閑話休題してだね。
この、一発でなにをすべきゲームかわかり、
侮られるほど簡単に見えて、
それでいてやってみると案外できない。
これが当たるゲームなんだ。
既存のゲームシステムから逆算して、
いままでにないゲームをつくってみましただの、
見た目に反して違うゲーム性ですだの、
そんなものはね、ゲームの本質を見ていないんだよ。
だから当たらない。
体力バーがない格ゲーをつくるなら、
一発もらったら失神KOするくらいじゃないと。
妙に避けまわるシューティングをつくるくらいなら、
一発も弾を撃てない逃げるだけのゲームにするとかさ。
やることが不明確だったり、プレイヤー側の思い込みに
寄り添わないゲームは当たらない。
ハズシなんてものは開発者側のエゴであって、
そのエゴはゲームをおもしろくするための工夫じゃないから
当たりようがないわけなんだよ。
30年だの40年だの、そんな前に確立されたゲームシステム、
絵合わせパズルやゴルフシミュレーション、
ジャンプアクションゲームがいまだに人気なことから、
人間は何年経っても、「お手玉しながら階段昇り降り」が
好きだってことがわかるはずだ。
できそうでできないってのが一番おもしろいんだよ。
こうすれば勝てたよなぁってのが楽しいんだよ。
後悔すら楽しめるのがいいゲームの証だ。
オヤカタはこれからもそんなゲームを大切にしたいし、
リバースで稼働させたいと思ってる。
なるべく新作を買ったうえでね。
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