中国製JAMMAハーネスに気をつけろ!!

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面倒臭がり屋だけど心配性だから毎度確認だけはするオヤカタなんだけど、

中華製の対戦JAMMAハーネスが安いから3本くらい持ってるんだよね。

ゲーセンやるからとかじゃなくて、筐体も持ってないうちから3本持ってた。

ほかに、93年作成のコネクタエッジにハンダされてるハーネスやら、

いくつか対戦ハーネスはあってさ。ファイナルロマンス4っていう麻雀ゲームを

動かすための専用対戦ハーネスなんてのもある。

 

なんで中華製のをたくさん持っていたのか記憶が定かではないんだけど、

おそらくファイナルロマンス4の対戦環境をつくろうかなと思ったから

じゃないかな〜。20年近く前の記憶は曖昧だね。

 

で、JAMMAの対戦ハーネスっていってわかる人しか読んでないとは

思うんだけど、簡単に説明だけしとこう。

ゲーム筐体ってのは1人用もしくは2人横並びで遊ぶことを

前提としてつくっている。

つまり、1人でも2人でも1画面で遊ぶのが基本なんだ。

それを2人で2画面使うようにするアイテムが対戦ハーネスだ。

映像信号や音声、ボタンの入力を対戦相手の台にも分配してやるために

専用の工作が必要で、ゲーセンの店員ならこれができなきゃお話にならない。

というのも今や昔かもしれないな。

 

とはいえ、自分でパーツや配線材、ハンダなんかを買って作業しようと

すると、工賃を考えなくても3000円くらいする。作成の手間を考えれば、

8000円くらいするよ。こういうのって技術料なんだから。

絵描きは紙とインクしか使わないんだから原価10円でしょって話にはなんないよね。

アーケードゲームの専門業者から買うとき、5000円です、1万円ですって

いわれるけども、そりゃ仕方ない。そういうもんだ。

1万円あげるから作ってっていわれても、オヤカタはちょっと考えるもんね。

本当に面倒だから……。

 

だから、中華製のを買った。しかもこいつは1本2000円くらいの破格だ。

ただし、経験上、結構「誤配線」がある。その結果ぶっ壊れるということも

ありえるから、やっぱり専門知識は必要だ。国産品でもあるんだろうけどね。

人間がやることだからさ。自分で間違って配線されていないか確認できないなら、

こんなもんに手を出すなよってことなんだろうけどね。

 

で、本題はここからだ。

 

中華製JAMMAハーネスはコピーのコピーのそのまたピーコ

 

中国製品はコピーが多い。JAMMAハーネスすらコピーのコピーがある。

多分、発注を受けた会社が余った部品(わざと余らせるんだろうけど)を使って

大量に同じものを作って売ってんだな。

電源のハーネスが足りてないとか色々と手抜きをしてコピー品を流通させる。

プロでもぼんやりしていると、手抜き品を売っちゃう可能性がある。

知らぬ間に材料とか設計とか変えてくるからね。コストダウンだっていって。

 

それで問題が起きないなら企業努力だと思う。

国がどう、人種がどうとかあまり思わない人間だから

別になにもいわないんだけどさ、電源のコードを細いものにしちゃうとかは

ヤベ〜だろ!! ってはなしでね。

対戦ハーネスならそこまで問題にならないけど、

家電製品、電子レンジとかなら火を吹くぞ。

 

そんなこんなでJAMMAハーネスでもそういうことがある。

どんなにチェックしても映像が乱れて映らないのにぶつかったんだ。

そのときはブラストシティっていう筐体を入れたばかりで、

もしかして全部ブラウン管死んだ?!って焦ったよ。

通電しているから死んではいないが、モニター基板が死んだなら2〜3万円。

それが台数分?! って折れちまうところだった。

 

新しい設備導入時にトラブルのは原因究明が大変になる。

複合的理由を解きほぐしていかないといけないからね。

そんなわけで、ガロスペやスト2筐体で動いていた対戦ハーネスを引っこ抜き、

試しに繋いでMV4(ネオジオ4本挿しマザー)を動かしてみた。

 

……動くじゃん。

2Pのコインが入らないけど、ちゃんと映像も音も出てる。なんだこれ。

2Pコインがおかしいのか……?

あ、変換ハーネスに2Pのコイン配線されてねーじゃねーの!!

※MV4は通常のJAMMA配線じゃないから変換が必要なんだ

とりあえずコイツはハンダしてやんないとな……。

こうして夜更けが更けに更け、朝になっても作業は終わらない。

 

ただ、なぜダメなのかの原因特定は済んだ。

ハーネスがおかしいんだ。それ以外に理由はない。

自分でイチからつくるのと並行して、なにがおかしいか調べることに。

 

それから4時間ほどかけてハーネス類を作ってはテストを繰り返すなかで、

超初歩的なミスに気づく。中華製のハーネスには映像のグランドがないのだ。

グランドというのは、要らない信号を捨てるゴミ箱とでもいえばいいのかな。

ゴミ箱を用意しておかないと、信号は溜まっていくばかり。

当然困る。

確かに、なくても映る場合があるというけれど、つけておかないと

映像が乱れたりするし、映像のグランドと音声や電源のグランドは別に

配線してやらないと映らないということはよくある。

コストダウンで1本配線する手間を惜しんだ結果、

使い物にならない商品ができちまったわけだな。

100近くハンダ付けするなかの2箇所だぞ?!

それで商品かゴミ(プロなら直せるわけだけど)かになるなんて、

ちょっとマズくないか?

 

そんなこんなでグランド線は黒と相場が決まっている(オヤカタのなかで)から、

黒の配線材を引っ張り出してきて2m単位に切り分けていく。

中華ハーネスの被覆を剥いて、ホットボンドを溶かして、配線をハンダして……。

ついでに他の配線もミスってないか確認する。

オヤカタはしょっちゅうミスした商品を引くからね。それは中国でも日本製でもだ。

56pinハーネスを作ってみればわかるけれど、案外やらかす。

たぶん、何年もビデオゲーム相手に商売しているプロでもやる。

逆に挿して基板死んだはよく聞くし、ケアレスミスはあるもんだからね。

すべてチェックして、ハンダが甘いところは盛りなおして。

それでやっと半国産ハーネスができた。オヤカタ謹製だ。

コイツをテストするときにはすでに翌日の営業時間前だった。

徹夜作業はキツかったが、無事に対戦台を4セットまで増やすことができたんだよね。

 

ゲーセンって見えないところの苦労が多いから、あまり労われないんだけれど、

対戦台一つとってもトンデモナイ苦労がある。

ま、あまり深刻に考えずにたくさん遊んでくれればそれでいい。

 

同情するなら、金をくれ

 

ってヤツだな!

 

あ、こんな〆かたじゃダメか。

みんなは中華製ハーネスが安いからって買うよりも、

まずは国産のプロの品からはじめるのがいいと思うぞ。