ブラストシティとGXマザーボードの修理をはじめてみる

2022年1月2日業務日誌業務日誌

GXマザーはコナミの90年代アーケードゲーム用マザーだ

 

普段はここじゃなくって、Ci-enっていう会員専用ページでやるような話題なんだけど、

出張で書いてみるよ。ゲーセンの裏話って興味がある人もいるだろうし、

メンテについては情報を共有しないと、故障→処分でどんどん基板がなくなっていくだろうからさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はブラストシティのスピーカーを修理するついでの作業だ。

ブラストはスピーカーにアクセスするのに、筐体を前後に割るか、

モニターを抜いて作業する必要がある。

まあ、モニターは超高圧電流が溜まってるものだから、筐体を割っても

作業の都合上外したほうがいい。

外す課程で感電しちまうかもって人はいじくらないほうがいいよな。

 

なんかエラソーに語っているけれど、オヤカタ自身、1年前まではゲーセン未経験、

誰にも教わらないで作業できているわけだから、そこまで難しいことじゃないけれど、

命の危険はあるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ブラウン管をバラして気がついた。

専門業者さんから買ったけれど、やっぱり一切整備してない。

どんぶり一杯分くらい、カーボンと埃、ヤニが積もってる。

こいつを2021年最強寒波下にお散歩につれていき、ブロアーとダスターで

埃を吹っ飛ばす。もちろん、下手こきゃ感電だから、あちこち触っちゃダメだぞ。

 

 

 

ブラストシティのスピーカーは片側に2個とツイーザー?ってのがあって、都合6つスピーカーが入ってんだよね。

このエッジ部分、全部なくなっちまってんだけど、発泡ウレタンは簡単に劣化する。

で、音が悪くなったり、出なくなったりするんだ。

これを修復する方法もあるし、互換品がない以上再建するのが基本だけれど、

オヤカタは有識者の知識を借りて、一番大きさや性能の近いスピーカーを輸入、バラして加工して

組み入れることにした。1個2000円弱。ブラスト1台分で10000円くらいする……キッツイぜ。

 

 

 

細かい部品が多いから拡大写真で。

いよいよ本題。これ、コンデンサを取っ払ったコナミのGXマザーなんだけど、

どこのゲーム基板も発売から20〜30年、コンデンサなんて10年くらいが耐用年数だから、

基本切れてるんだよね。

性能が落ちるだけならいざ知らず、裂けたり、液が漏れたり、それで基板が腐食したりってなると、

もう「お陀仏」なんだ。

だから、手が回るものならどんどん修理してやらないといけない。

そんな時間がねえんだけども、やらなきゃならねえんだ。

 

1個200円くらいのコンデンサと侮るなかれ。10も20もとなれば結構な値段だし、

世の(よほどの)コレクターでもなければ直さない。ロケーション(ゲーセン)は修理しないんだよね。

本当に面倒だし、そんだけ稼げねえっていう現実もあるから。

いやいや、資産なんだから直せよ! って思うだろうけど、修理費が1〜3万円とかかかったらさ、ますます短期的に赤字になる。

すると上司や経営者が、赤字が拡大している! ゲーセンやめよう!! っていいだしかねない。だから直せないんだよね。(不動)資産だから安易にヤフオクに売っ払うわけにもいかんしな。

でも、リバースはそういう現実に反旗を翻してえ!! って思いでやってる部分が大だから、

なんとかがんばっていくつもりなんだ。

 

さて、コナミGXマザーには数種類あるんだけれど、この2コネ版の大マザーボードは、

電源まわりと音まわりに16V1000μF(アンプそばの黒っぽいの)、16V330μF(青い大きいの)

50V4.7μF(青い小さい)のを使ってる。でもね、問題があるんだ。

こいつら、85℃のコンデンサなんだよ。

 

オヤカタも詳しくなんだけれど、85℃と105℃っていうのがあって、105℃は2〜4倍くらい

性能がいいそうなんだ。性能がいいというか、長持ちする? らしい。

そりゃあ製品自体の品質もあるし、個体差っていうバラ付きもあるだろう。

でも、心配性のオヤカタは、こんなところでケチって欲しくないし、ケチりたくない。

そうなんだ。105℃は長持ちするぶん、タケーのよ。

 

まさかアーケードゲーム全盛の95年前後に、30年近く経ってまだ遊ぼうという

フテエやろうがいるとは思わなかったろうから仕方ないんだけども、

いい製品のほうがうれしいよね。

 

ま、なんにしてもだ。85だろうが105だろうが、耐用年数は過ぎてるから交換することにした。

音割れ、液漏れ、蒸発(コンデンサの中身が洩れずに蒸発しちまうことがある)の傾向も

見受けられたからな!

 

 

いやあ、ドラグーンマイトはいい。

もっさりしたゲームなんだけれど、ちゃんと作ってある。

格ゲー全盛期の量産型格ゲーの1つとして無視していい作品じゃあない。

曲がね、やっぱりいいんだよね。

だからこそ、ブラストのスピーカーを直し、なるべく音質もよくなるよう、基板も修理するわけなんだ。

 

んで、1時間くらいコンデンサのハンダを剥がして付け替えたのがこちら。

 

 

 

どうだろう?

わかりにくいか?

 

 

 

こっちじゃあどうかな?

コンデンサによる昇圧が効いているのか、発色がよくなった気がしない?

気のせいなのかな? POPを置いてカメラの色調補正がかかっただけ……じゃないと思うんだけどなぁ。

 

ちなみになんだけれど、GXマザーはほかにもリバースは抱えてて、こいつが初期不良だったみたいなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

このJAMMAエッジコネクタってところに並んでる青い部品。

ZBF253Dっていうらしくって、オヤカタ調べではTDKが作った、フェライトビーズフィルター。

つまりは、電気や電波が干渉して、入力系統やチップに悪さをしないようにするものなんだって。

確かにネオジオのマザーボードにも並んでる(やつもある)んだよね。

これ、手に入れて修理すればもしかしたら直るかもなんだけど、ちょっとツテがねえんだ。

パーツ屋さんで手に入るかなあ?

 

というわけで、ざっくりとだけど修理のノウハウや、暗くて煤だらけになって、

あちこち切ったり打撲したりしながらまわっているゲーセンの裏舞台を公開してみた。

幻滅したろうか?

 

どうせなら、案外大変なんだな、がんばれ! って思って欲しいかな(笑)

 

あ、そうそう。

Ci-enは会員以外や無料会員のための記事もあるから、リバースのページをのぞいてみてくれ!

普段はツイッターが多いんだけれど、そこでしか読めないこともいろいろ書いていたりするんだ。

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今回のコンデンサやハンダ、ボタンやレバーの交換費用になるからね!!

 

ちなみにドラグーンマイトはこんなゲームだ↓