対戦台についての悩みと考察

2020年10月14日ゲームよもやま, 業務日誌ゲームよもやま, 業務日誌

目次

対戦台はリスキーだって知ってた?

お店にとって案外リスキーなのが対戦台なのだ

 

先日、アミューズメントの世界の「お師匠様」がグランドオープン前に様子を見にきたんだ。

いや、丁寧に書いておこう。きてくださったのだ。

で、「まずは1筐体あたり、1日1000円を目指しなさい」とおっしゃられた。

つまり、対戦台なら2000円ということだ。

 

おいおい、ちょっと待て。対戦台で2000円ってことはだな、

ウチは100円1クレ(重点強化タイトルやプレ期間のサービスで100円2クレだったけど)だけど、

最悪でも20試合発生しないとダメってことかよ。

こりゃ結構シビアだぞ。

 

例えば、クイズゲームやシューティングは1台で事足りる。

しかも、固定のプレイヤーがいて、「これを入れてください。毎日遊びますから」と

いってくれれば、10回も遊んでくれれば最低ラインに乗っかるわけだ。

20万円とかする基板じゃなければだけどね?

 

でも、格ゲーだとそうもいかない。10試合もCPU戦をする人は稀だし、

対戦相手がいなければそもそもこなくなっちゃうよね。

これを格ゲーマーやプレイヤーの責任にするのは、個人的には無責任だと思うけど、

構造的に「対戦」が前提だから、それが発生しなければおもしろくないわけだ。

で、対戦台にして動かなかった場合、ダメージが倍だからすごくためらうんだね。

昔の自分のように、希望タイトルを入れてもらうのに月額いくらとお店に払って、

自分でイベント主宰、運営をして、お店に手間をかけない……。

とかするならなんだけど、やっぱり一般的なゲーセンは新規対戦台を嫌うよね。

人気作くらいしか入れられないし、動かなくなったらビデオ筐体ごと売っちゃう。

それは冷静に見ていればよくわかる。それがきっと正しい運営なんだ。

 

とはいえ、リバースの場合はイベントの中心となってくれるプレイヤーさえいれば、

大会運営の手伝いはするし、手伝いというか進行はすべて任せてもらうつもりだよ。

「自分が好きなゲームを置いてもらって、大会をやるからきてね!」

という中心人物さえいれば、常設への道は開かれやすい。

誰かいるなら行く、誰かやってるならやる、というのでは、

どんなにお願いされてもなかなか新規タイトルの導入や常設は難しい。

お店が及び腰になるのはこういう部分なんだよね。

 



 

もっとも、お金について堂々と話すお店なら、常設代を寄越せ!それなら置く!

っていっているんだろうけどね。ウチもどちらかといえばそちらかな。

自分がそういうスタイルでスト2を置いてもらってきたし、

月ウン万とか出してると、行くよね。面倒でも疲れていてもさ。

毎週末、3日間、夜にプレイヤーがいるとわかったら、やりにきてくれる人も

出てくるわけでね。ダイエットのためのウォーキングみたいなもんだ。

ジムの月会費でもいいや。金銭的に縛られると、まあ、行くかってなる。

 

すると、人がひとりでもいるなら、行ってもいいって人が出てくる。

特定のタイトルを対戦台で遊びたいって思ったら、それくらいの覚悟は

必要なんだと思うよ。15年くらいそんなことをやってきた人間の経験からも

それくらい覚悟しないといけないのかなって思う。

 

これから格ゲーをやるって人にそんな覚悟は求めないけどね。

自分のやりたいゲームを普及させようっていうなら、それくらいの手間隙は

いるぜってことであってね。格ゲーを遊ぶだけなら覚悟なんて全然要らない。

コマンドすら覚える必要はないと思う。

知識や技術なんて、もっとしっかり遊びたいと思ってからで十分だよ。

 

 

なんか格ゲーに対して冷たくない?

 

ところで、オヤカタがクイズゲーやシューティングに甘くって、格ゲーに厳しいって

思ってる人もいるかもしれない。でも、そんなことはないんだ。

知っての通り、わけのわからん格ゲーを大量保有していて、クイズは昔ちょっと

入手したものがあるだけ。シューティングにいたっては2020年、つまり今年から

はじめたようなもんなんだよ。

根っからの格ゲーマーであって、格ゲーが嫌いだなんてとんでもない。

対戦台を6(7)セットから3(4)セットに減らしたからって、

金儲けに走ってるとかでもない。そこはハッキリいっておきたいんだ。

本当は、格ゲーを対戦台でバーン!と並べてえんだよ。

格ゲーだけのゲーセン。最高じゃないか。

でも、先のとおり許さない事情があるわけだ。

もっとも、どの筐体、どのタイトルも、毎日50〜100戦くらい動くなら

対戦台を増やすのがプレイヤーのためだろうからそうするし、

200戦以上動くなら100円2クレのタイトルを増やしてもいいと思ってる。

これが「事情」だな。

 

あと、格ゲーの対戦台を置いて、2〜3人のグループが超盛り上がるのと、

シューティングやクイズ、パズルといった遊びやすいものを置いて、

十数人がそれなりに楽しめるのとを天秤にかけたとき、

やっぱり後者のほうがいいんじゃないかなって思うんだよね。

 

ゲーセンってどういう場所かっていうと、友達ン家とは違うわけだよね。

思うに、もっとオープンな場所なんだよね。

仲間や身内のためだけの遊び場のように思っていたり、

そういう環境にしようって人もいるようだけどさ、

そうじゃない。少なくとも自分はそう思う。

 

開かれた場所だから出会いもあるし、新しい変化も起こる。

それを楽しむ場なんじゃないかなぁ。

 

もちろん、勝手知ったる仲間と遊ぶなって話じゃなくてね。

日本はアメリカみたいに40畳のリビングとかないしさ。

ホームパーティーとかいうのも難しいわけでしょ。

となると、時間と場所を共有するのは難しい。

こと大人数となると難易度は超アップしちゃうよね。

それらもまとめて解決するのがゲーセンだと思うわけ。

だとしたら、数人のグループのためのお店よりも、

より多くの人が楽しめる環境にしたいと考えるのも

あながちおかしなことじゃないと思うんだよね。

 

わざわざ田舎にお店を構えたのは、ゲーセン空白地帯を埋めるためで、

それは同時に地域の人の交流やら居場所やらのためでもあるし。

まあ、そんな高尚なことばかりじゃなくて、はっちゃけられる場所が

単純に少ないから、ここでどうぞってことなんだけどさ。

 

クイズゲームやシューティングに必死になるのって、ひとりでもできるし、

みんなでもできるってのがデカい。

先日も書いたけど、クイズゲームでアホかってほどコンティニューして

クリアするのって、それだけで気分がいいんだよね。

自分がまともじゃないことをやってる開放感がすごくってさ……。

 

そんなわけで、たくさんの人によろこんでもらおうと思うと、

カルトでマイナーなタイトルの対戦台をズラーっと並べることは難しいんだ。

オヤカタの夢、早々と破れ去る……って感じなんだけど、

まあ、諦めちゃいないからさ。格ゲーで巻き返すってんならぜひぜひ

マイナー格ゲー向上委員会を結成して遊んで欲しいね。

 

スト2は実力が同じくらいの人を見つけるための番付戦を復活させるし、

10月17日にはニンジャマスターズの体験大会もやる。

 

 

10月31日はブレイカーズリベンジともしかしたら武力が動くかも。

マイナータイトルを諦めたわけじゃないよ。

オヤカタが望むのは、より多くの人が楽しい、鬱屈したストレスを発散できるっていう

時間の提供だ。そのためには1日でも長く営業しないといけねーから、やっぱり

「お金」のことも考えないといけないし、プレイヤーの思いにも応えないといけない。

その落とし所をずっと考え、悩んでいるところだから、

格ゲーをないがしろにしてる、バカにしてるなんていわないで欲しいな〜ってところかな。

 

愚痴で締めるのも嫌だから、グランドオープン後にみんなの覚悟を見せて欲しいし、

プレイヤー同士で交流して盛り上がってもらいたいと思うよ。

ぜひ楽しんでいってくれ!