カプコンの故障したゲーム基板を直す〜CPS2電池爆散基板を救え!!〜

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CPS2は名作揃いだけど電池基板は恐ろしい

 

カプコンのゲーム基板には電池が乗っている。

そして、その電池の電気でもって、セキュリティーキーを維持している。

電池が力を失うと、「ぼうけんのしょはきえてしまいました」となるわけだ。

いや、セーブデータならまだましで、この基板は2度と遊べなくなる。

メーカー修理や特殊な改造を施さない限り、遊べなくなる仕様なのだ。

これが実に困る。

 

電池自体長寿命の電池ではあるけれど、

まさか20年、30年と遊ばれることは想定していないわけで、

毎年新作が出ていた90年代のものなら、

10年どころか5年保てばいいだろ〜ってところだったんじゃないかと思われる。

しかし、あまりにも名作すぎて我々はまだまだこいつらを遊びたい!

だが、電池にだって寿命があるんだ。そして電池は液漏れするのが当たり前。

単三電池なんて3年くらいで漏れてリモコン壊しちゃったりするよね。

CPS2の電池もご他聞に漏れずだ。液は漏れるけど。

 

 

今回はサイバーボッツが主だけど、CPS2と一口にいっても基板内部はいろんな形状があってなかなかややこしいってところを見てもらうために、新しく調達したスパ2Xの電池交換も一緒に並べてみようと思う。

 

なんかキッタネエからまずは洗おうや!

 

 

洗うためにはバラさなきゃいけない。今回の固定具は六角ナットとピンだったけど、なかには溶接? されているタイプのピンもあってそいつはドリルでこじ開けないと開かない。スーパーストリートファイター2(Xの前のやつ)では確認済みで、X-MENなんかでよく見るって聞いた。今回はその手間はナシで済んだけど、ここを開封したら2度とメーカー修理は受けられない。改造と見なされるからだ。

 

カプコンのロゴが入ったシールの裏面は特殊な糊の形状をしていて、シールを剥ぐと「開封済」って表示されるんだよね。それでバレちゃう仕組みだ。まあ、もうメーカー修理終わってるから関係ねえけどな〜。

 

 

コインカウンターが付いてた。こいつは9300回ほど回ったらしい。30年スト2やってきた人間からすると、少ねえな〜って思うけど、そりゃあ94年当時はバンバカ新作出てたからね。あっという間に撤去されたスパ2X基板もたくさんあったのだろう。それでも、半年もしないくらいで1万試合とか起きていたならすさまじいことだよね。

 

 

汚れたケースは洗剤とお湯で丸洗い。基板も適切に対処すれば丸洗い可能だから、シール部にマスクして洗っちまおう。

 

 

それじゃあその間に基板の中身をチェックだ。

このスパ2X基板はドーターボードって呼ぶのかな?二階建てになっているタイプだね。マザーボードにカセット形式でソフトを挿すのがCPS2だけど、そこにさらに親亀の上に子亀、子亀の上に孫亀……みたいになっているんだ。このタイプの基板を修理するには絶縁処理が重要になるからちょっと注意が必要だ。

 

 

さて、この真っ赤な電池が問題児。

問題児というか、本当に優秀ながんばりやなんだけどね。

しかし、寿命がきて液漏れや爆散したら周囲のICなんかを破損、パターンを焼いてしまうから、寿命がきてしまう前でも取り外して基板を改造しようと思う。93年製造のマクセル製だそうだ。ほぼほぼ30歳だぜ。

 

 

外しちゃうから意味がないけど、せっかくだから電圧をチェック。

3.70Vが規定値だとか。うん、まったくといっていいほど減ってない。新品同様だ。

でも、取り外して基板を丸洗いし、その後に電池が記憶させているセキュリティーキーを書き戻す改造を行うよ。

 

乾かす間にサイバーボッツをチェック

 

 

サイバーボッツの基板を2枚並べてみた。リバースには現在、4枚のサイバーボッツがあり、内2枚は修理依頼を受けたものだ。

みんなはこの2枚の違いがわかるだろうか?

すでに修理済みの写真だからわかりやすいかもしれないな。

左側は右上に、右側は左下になにやら変な基板がくっついているだろう。

これはそれぞれの基板にあった改造を施した証拠だ。

作業自体は装置やハンダがあれば特段難しいものではないけれど、同じタイトルだからといって同じ修理法で済むとは限らないってのが厄介だ。

 

 

 

 

93646B-6と93646B-4。マザーボードの末尾の数字で修理方法を判別できる。

ったって、別にオヤカタが見つけたわけでもなんでもなくて、直接リンクしてご迷惑になっちゃいけないからリンクは避けるけれど、のすけさんが開発してくださった修理キットや、それをさらに特定のタイプの基板用に便利にしてくださったぽめらんさんのおかげでこうして1時間もあれば直せるようになった。感謝、感謝だ。こんな開発力はオヤカタにはないもの。

 

 

早速動作確認。

4枚とも元気に復活したようで、めでたしめでたし。

 

オヤカタはいまのところ、スパ2Xのような2階建ての基板、サイバーボッツの2種類のような形状の違う基板、ハイパースト2やギガウイング、ZERO3のレンタル版のようなマザー一体型基板を見てきたけれど、まだもう少し形状が違ってややこしいものがあるとも聞く。運よくそういう基板には出会ってないけれど、30枚とか修理しているとそろそろそういう基板にも出会いそうだ。

 

こういった基板の修理技術を確立し、公開してくださるかたがたのおかげでリバースは存在する。

1日でも長く稼働させ、1日もはやくみんなに楽しんでもらいたい。

これからもリバースは電池破裂で基板爆散の憂き目にあわないよう、手元にきた基板は率先して修理していくぞ。