多様な「おもしろさと楽しみかた」を守りたい!

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おもしろさという言葉は多様な意味を持っている

 

私はスト2で格闘ゲームをはじめた人間です。

ですので、いまでもストリートファイター2、

とくにエックスというバージョンが「一番おもしろい」と思っています。

 

一方で、過去に何度も盛り上げようとして失敗し続けてきたゲームがあります。それが、ワールドヒーローズ2です。こちらも一番おもしろいゲームだと思っています。

 

矛盾といわれれば、そうですね。

でも、私自身として微塵も矛盾しているとは思わない。

なぜなら、「おもしろい」という言葉には多様な意味があり、そもそも「おもしろい」という感情をあらわす言葉のバリエーションが少なすぎて、いまの日本語では表現しきれないのです。

 

無理やり表現するならば、

スト2のおもしろさは、シンプルかつ豊穣。

飽きるということがなく、奥深い。

食べ物でいうと白米です。

ワーヒー2のおもしろさは楽しさ。可笑しさです。

駄菓子や祭り屋台の焼きとうもろこしにりんご飴、焼きそばや牛串の類でしょうか。毎日となると辛いかもしれないけれど、それを見ているだけでワクワクしてしまう。

 

でも、これらを評する場合、一律に「おもしろい」「楽しい」と表現するしかないんです。ワーヒー2は「オカシイ」なんていったら、本当に好きな人に怒られる可能性が出てきます。「なにがおかしいんだ! おかしいのはお前の頭だ!!」って。私だって本当に好きなのに。

 

これが言葉の限界なわけですね。

ツイッターで、うかつに短文にまとめると、ますます事故のもとなので、ブログに書くことにしました。おもしろさにはいろいろあるのです。そして、どれがいいという話にはならず、どれもみんな、いいのです。

 

とまあ、偉そうで大袈裟な前置きはこのへんにしておきましょうかね。

 

プレイヤーごとのおもしろさを大切にしたい

 

プレイヤーのなかには、勝つことこそ至上、楽しむだなんてもってのほか。負けて楽しそうにしている奴が許せない。そんな人がいます。一方で、勝っても負けても楽しい。どっちだって構わない。上手くなるかどうかさえどうでもいい。仲間とワイワイやりたいという人もいます。

 

私はどちらも応援します。

なぜって、私自身が「どちらも」だからです。

 

ただ、自分でお店をやると決めて、ひとつ考えていることがあります。

それは、「まずはワイワイやるのが楽しいという人を大切にしよう」ということです。そして、そのなかから道を極めたい! という人が出てきたとき、別のお店をつくろうと考えています。いわゆる道場みたいなものです。

 

実際に別のお店がつくれるかというと、かなりアヤシイのではありますが、それだけそのゲームを愛し、入れ込んでいるならば、プレイヤーの色分けが済むまでの間、待てるはずです。また、待たなければならないと思います。

 

花でも野菜でも人でも、種をまいて即収穫というわけにはいきません。種をまく前から選別しようとするせっかちな人が多いように思います。少なくとも芽が出るかどうかまでは待ってあげて欲しいですし、私は待つつもりです。

 

そもそもゲームセンターというものは、社会のはみ出しもの、アンポンタンが集まる場所だったはずです。語弊があるかもしれないので訂正しますと、「スカポンタンでも居ていい場所」だったはずなんです。それが、「真面目にゲームをしないなら、上手くないなら、プロゲーマーを目指さないならくるな」というような空間になったらどうでしょう。

 

それは学校や職場となにが違うのか。

 

真剣ななかにも遊びの余裕は必要ですし、遊びのなかにも真剣さが必要だとは思いますが、その両立なしに序列と規律で縛りつける場所になってしまったら、きっと、全然楽しくなくなる。

 

我々は、誰に頼まれるでもなく、強制されたわけでもなく、進んでゲームを遊ぶのです。それが、義務や業務に近づけば近づくほど、どんどんつまらなくなっていくのではないかと危惧しています。

 

ですので、上級者のかたや拳極めし者! を目指すかたには生ぬるく、つまらなく見えるかもしれません。しかし、私は当面、楽しむためにゲームをする人を応援するつもりです。勝利ではなく、成長や交流を楽しむ、居場所作りのためにゲームセンターを運営したいのです。

 

もちろん、「上手い奴はくるな!」なんて話じゃないですよ。その価値観をご理解いただけるかたであれば、どなたでもお越しください。

 

世の中のつまらなさが声高に叫ばれる昨今にあって、わざわざつまらない場所をつくっても仕方ない。節度のある範囲で「ハメをはずせる」場所をつくりたい。楽しい空間をつくりたいのです。(なお、ハメからの10割コンボは認めます)

 

一緒にバカをやってくださるかたなら、大歓迎です。

ぜひお越しください。

また、全国にそんなゲームセンターがたくさんできることを切に願います。